
下鴨茶寮本店の暖簾が、青の入った葵祭(あおいまつり)仕様に架け替えられると、いよいよ京都に初夏の訪れを感じます。
初夏の京都を彩る「葵祭」。欽明天皇の時代(6世紀)から続くこの格式高い祭礼は、下鴨神社の専属包丁人を務める当茶寮にとっても、大切な節目の一つです。
新緑溢れる祭りの情景とともに、京都の祭りと縁深い「鯖寿司」をご紹介します。
平安の雅を今に。京都三大祭り「葵祭」
葵祭は、祇園祭、時代祭と並ぶ京都三大祭りの一つ。その歴史は欽明天皇の時代(6世紀)まで遡るとされ、正式名称を「賀茂祭(かもさい/かもまつり)」と呼びます。

最大の見どころは、総勢500名を超える平安貴族の装束を纏った行列が、京都御所から下鴨神社、上賀茂神社へと巡行する「路頭の儀(ろとうのぎ)」です。牛車や衣装、さらには人々に至るまで、すべてが「葵の葉」で飾られることから、江戸時代以降「葵祭」と親しまれるようになりました。
静寂に響く鏑矢 (かぶらや)


祭りに先立ち、下鴨神社の「糺の森(ただすのもり)」では流鏑馬(やぶさめ)神事が執り行われます。疾走する馬上から放たれた矢が的を射抜くその音には、目に見えない厄を払い、後に続く行列が通る道を清める力があるといわれています。
この清められた静寂の森を、葵の葉を身に纏った平安絵巻のような行列が進み、国全体の安泰と五穀豊穣を祈ります。自然の恵みを料理として提供する茶寮にとって、豊作を願うこの祈りは、ひと皿一皿に込める「感謝」の原点でもあります。
京都の祭りを彩る「鯖寿司」

平安絵巻のような行列が都をゆく葵祭の時期。京都では古くから、お祭りの日(=ハレの日)に鯖寿司を食べる愉しみがありました。
冷蔵技術がなかった時代、保存の効く塩鯖を用いた鯖寿司は、祭りという「ハレの日」に集まる人々をもてなすための、最高のご馳走でした。
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そんな風習にならって、下鴨茶寮でも鯖寿司をお仕立てしています。竹皮を解くと、しっとりとなじんだ鯖と酢飯が、どこか懐かしくも端正な姿で現れます。さりげなく利かせた白しば漬けと、ひと口ごとに広がる穏やかな酸味と鯖の旨みは、初夏の爽やかな風を運んできてくれるかのよう。葵祭の情景とともに、季節の味が静かに彩りを添えてくれます。
お祝い事や季節のご挨拶、あるいはご家族が集う大切な時間に。
箱を開けるその瞬間から、京都の初夏が育んだ伝統の味わいと、料亭の心づくしをお愉しみください。
鯖寿司
参考
下鴨神社
https://www.shimogamo-jinja.or.jp/saiji/aoimatsuri-2026
京都市公式 京都観光Navi
https://ja.kyoto.travel/event/major/aoi/
https://ja.kyoto.travel/event/major/aoi/letsgo.php
京都府観光ガイド
https://www.kyoto-kankou.or.jp/event/1531
そうだ京都に行こう
https://souda-kyoto.jp/blog/01262.html
季刊大林
https://www.obayashi.co.jp/kikan_obayashi/detail/kikan_63_sato.html
書籍
「京都のいちねん」小林由枝著(祥伝社黄金文庫)
