名残・走り重なる、旬の妙。料亭のはりはり鍋

本の四季の食文化に息づく「名残(なごり)」と「走り(はしり)」という言葉。京都では、茶懐石の美意識とともに、この感覚がとりわけ洗練されてきました。

名残は、ひとつの季節が終わりを迎える頃。走りは、次の季節がまだ始まったばかりの頃。この二つが重なるひとときにしか出あえない味わいがあります。

【秋季限定】料亭の鱧と松茸のはりはり鍋


はりはり、水菜が奏でる音とともに

はりはり鍋は、関西地方で親しまれてきた郷土料理です。かつて庶民の食卓に身近だった鯨肉と、関西で古くから栽培されてきた水菜を組み合わせて炊いた鍋で、水菜を食べる際の「はりはり」という軽やかな音が、その名の由来とされています。

けれども1980年代、商業捕鯨の中止をきっかけに鯨肉の入手が難しくなり、現在では豚肉など、他の食材で代用されることも増えました。出汁の旨みと、水菜の食感を愉しむという料理の核は変わらぬまま、時代とともに主役の食材を変えながら、受け継がれてきた鍋のひとつです。


鱧、季節の名残を惜しんで

鱧は、祇園祭の頃から始まる京都の夏を象徴する食材として知られています。骨切りをはじめとする手間を惜しまぬ仕立てによって、上品な白身の滋味深さを引き出すのが、京都の料理人の腕とされてきました。

その鱧も、秋を迎える頃にはいよいよ名残の季節を迎えます。今年最後の鱧を、静かに味わうひととき。それも、秋ならではの愉しみ方といえるでしょう。

松茸、はじまりの季節とともに

一方、松茸は、日本の秋を代表する食材として、古くから特別な存在とされてきました。『万葉集』には「高松のこの峰も狭に笠立てて満ちさかりたる秋の香のよさ」と、その香りのよさが詠まれています。

平安時代には、都であったこの京都の松林へ、貴族たちが松茸狩りに出かけ、焼き物や汁物として味わっていたと伝わります。江戸時代には庶民の秋の愉しみとしても親しまれるようになりました。

夏の名残と秋のはじまり、ふたつの季節を代表する食材が、ひとつの鍋の中で出合いました。

 

【秋季限定】料亭の鱧と松茸のはりはり鍋



鱧と松茸で仕立てる、はりはり鍋

まず、出汁に松茸を入れて香りを立たせてから、紫玉ねぎなど彩り豊かな野菜と、ごま麩やあわ麩や湯葉、生麩といった出汁が染みる具材を加えます。

鱧と水菜は、いただく直前にさっとひとくぐり。松茸の香りをまとった鱧のやわらかな旨みと、水菜の歯ごたえを、香りぽん酢や柚子胡椒を添えてお愉しみください。

〆には、ご飯と卵を加えて雑炊に。鱧と松茸の旨みと香りをうつした出汁が、米一粒一粒に染みわたります。最後の一口まで、秋の贅沢を味わい尽くせる仕立てです。

 

【秋季限定】料亭の鱧と松茸のはりはり鍋


箱を開けてから、最後の一口まで。お届けするのは料亭体験

当茶寮の鍋の魅力は、味わいだけではありません。ふたを開けた瞬間の景色にも、料亭ならではの技が詰まっています。

「9つに仕切った箱の中で、具材に高低差をつけて詰めています。奥を高く、手前を低く。開けた瞬間にボリューム感が伝わるように」と料理人。

紫玉ねぎの淡い紫、木の芽の緑、花人参の赤。白っぽくなりがちな鍋の中に、季節の色をそっと添える。この一手間が、届いた瞬間の華やかさをつくっています。

「料理の味以上に、料亭で過ごす時間やお見送りまでを含めて、料亭体験だと思うんです。それは通販でも同じこと。食べて美味しいで終わらせたくない。通販でいうお出迎えは、箱をひらいた第一印象です。箱の中で具材が整然と並んでいる。そこから食べ進める愉しさが始まります。私たちがご自宅までお伺いできない分、最後の一口まで、料亭で過ごすような時間を味わっていただきたい」。

見た目にかけた技も、彩りも、すべては蓋を開けるその瞬間のためのものです。


【秋季限定】料亭の鱧と松茸のはりはり鍋


もてなしは、最後のひと口まで。

料亭とはちがい、通販では顔の見えないお客様だからこそ、一つひとつの所作に想いを込める。それが、下鴨茶寮の変わらぬ姿勢です。

大切な方への贈りものにも、ご自宅でのひとときにも。
鱧と松茸、ふたつの季節が出合う一鍋を、お愉しみください。

 


【秋季限定】料亭の鱧と松茸のはりはり鍋
3人前・冷蔵
12,960 円 税込

【秋季限定】料亭の鱧と松茸のはりはり鍋



参考資料

農林水産省 うちの郷土料理 鯨のハリハリ鍋(くじらのはりはりなべ)
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/39_4_osaka.html

ミツカン水の文化センター 京水菜でいただく はりはり鍋
https://www.mizu.gr.jp/kikanshi/no73/13.html

京都をつなぐ無形文化遺産 見て美しく、食して美味しく
https://kyo-tsunagu.city.kyoto.lg.jp/shokubunka/column/horiba/

農林水産省 「詳しく知って楽しく食べよう!おいしいきのこ図鑑」まつたけ
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2110/spe1_02.html#matsutake

国立国会図書館「きのこ狩りと松茸」
https://www.ndl.go.jp/imagebank/column/matsutake

万葉集百科 奈良県立万葉文化館
『万葉集』巻十・2233番「高松のこの峰も狭に笠立てて満ち盛りたる秋の香のよさ」
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/detail?cls=db_manyo&pkey=2233


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