夏のしめくくりとして、京都・下鴨神社で行われる神事をご存じでしょうか。
下鴨神社で毎年8月6日に行われる「夏越神事(なごししんじ)」は、立秋前夜に厄を祓い、一年の無病息災を祈る儀式です。
下鴨茶寮は、この神聖な地に本店を構え、長年にわたり神社とのご縁を大切にしてまいりました。
今回は下鴨神社の夏越神事についてご紹介いたします。
茅の輪をくぐり、心身を清める
©下鴨神社
「夏越の祓(なごしのはらえ)」は、古くは平安時代から伝わる神事で、6月30日に全国各地の神社で執り行われます。参拝者は「茅の輪(ちのわ)」と呼ばれる草で編まれた大きな輪をくぐり、半年間の穢れを祓い、無病息災を願います。
下鴨神社ではこの神事が8月6日、立秋の前夜に行われるのが特徴です。境内には大きな茅の輪が設けられ、御手洗池には参拝者が納めた「人形(ひとがた)」──自身の穢れを託した紙の人形が投じられます。
清らかな水とともに穢れを流し去り、新たな季節を迎えるにふさわしい祓いの儀式。祈りの文化が息づく京都の夏の夜の風景です。
男たちが斎串を奪い合う──「矢取り神事」の夜
©下鴨神社
夏越神事のなかでも、特に荘厳で迫力のあるのが「斎串(いぐし)」を取り合う神事です。
神主の合図とともに、御手洗池の中央に立てられた50本の斎串を、氏子の男衆が勇壮に奪い合います。
斎串は矢のような形をしていることから「矢取り神事」とも呼ばれます。この斎串には厄除けや開運のご利益があると信じられてきました。
この迫力ある祭りは、見学も可能です。詳しくは、下鴨神社公式ホームページ「夏越神事」をご覧ください。
開催場所:下鴨神社 井上社
開催日程:2025年8月6日(水)
時間:18:30より
世界遺産の神域のもとで紡ぐ「もてなし」
下鴨神社がユネスコの世界遺産に「古都京都の文化財」の一部として認定された理由として、平安遷都以前より存在し、桓武天皇が新都発展を祈念して以来、都を見守り続けてきたことに加え、縄文時代から続く「糺の森(ただすのもり」の自然環境が大きく決め手になったといわれています。
下鴨茶寮の本店は、下鴨神社のふもと、糺の森のほとりに居しております。
創業は安政三年(1856年)。以来、この神域の気配とともに、京料理と「もてなし」の文化を育んできました。
ご自宅でも祓いの夜の一献を
季節の節目に、祓い清めるという日本古来の習慣。そのこころを今に伝える下鴨神社とともに下鴨茶寮もまた、みなさまの日々の節目にそっと寄り添ってまいります。
「祓い」とは、ただ穢れを除くだけでなく、新たな時を清らかな気持ちで迎えるための、心をととのえる儀式でもあります。
下鴨神社の夏越神事をはじめとする年中行事は、日常に「祓い」を組み込むための先人の知恵なのかもしれません。
❝お正月から半年のうちに知らず知らず身についた穢れをぜひ夏越神事でお祓いください❞
(下鴨神社ホームページより)
たとえば、夏の宵、日々息災の感謝とともに、一献かたむける時間をつくってみてはいかがでしょうか。
季節に寄り添う酒肴とともに、心をほどくひとときをお過ごしください。
酒肴ギフト(蒼空500ml)
爽やかでやさしい味わいの京都・伏見の地酒「蒼空」とともに、実山椒の香りが凛と立つ「ちりめん山椒」、濃厚な味噌の旨みが広がる「京都ぽーくの豚味噌」を詰め合わせました。京都の酒と料亭の味わいで、心ほどけるひとときを。
酒肴ギフト(天狗舞オリジナルラベル720ml)
山廃仕込みならではの力強くふくらみのある味わいを持つ「天狗舞」の特別ラベルと、酒肴二品──まぐろと牛蒡の旨みが詰まった「きんぴらまぐろ」、丹波しめじと帆立を炊き上げた「丹波しめじと帆立」。金箔が光るラベルと扇紋が印象的な、特別な宵を彩る酒肴ギフトです。
参考文献
・下鴨神社公式サイト「夏越神事」
https://www.shimogamo-jinja.or.jp/saiji/nagoshinji
・京都観光Navi「夏越の祓」特集
https://ja.kyoto.travel/specialopen/nagoshi/