五色の短冊に願いを。京の七夕と「五味の杜」のひととき

7月7日は、七夕です。
夜空に祈りを捧げる「七夕の節句」。願いを託す五色の短冊(ごしきのたんざく)には、古来より人々の想いが込められてきました。
下鴨茶寮の「フィナンシェ五味の杜(ごみのもり)」は、そんな祈りの夜にそっと寄り添う“五色のお菓子”です。

 

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京都の神社に揺れる七夕飾り


京都の七夕祭は旧暦の八月に行われることが多いものの、七月から多くの神社で七夕飾りが掲げられ、五色の短冊が夜風にたなびきます。笹越しにみえる天の川、月星の輝きは夏の風物詩。下鴨茶寮本店でも、七夕の飾りつけを行い、お客様の願いを短冊に書いていただいております。

夜空を見上げて願いをかける七夕の儀式は、もともと雨乞いの意味合いもあり、水を祀る神社ではとくに大切にされてきました。


水を守る神社──下鴨神社

©下鴨神社

下鴨茶寮がご縁をいただく下鴨神社もまた、水と深く結びつく神社です。
ご神域「糺の森(ただすのもり)」は、鴨川と高野川が合流する場所に広がる原生林。そのなかに湧く「御手洗池(みたらしいけ)」は、境内を流れる御手洗川の水源でもあり、清らかな水の神聖さが今も息づいています。


七月、下鴨神社の「足つけ神事(みたらし祭)」

©下鴨神社

©下鴨神社

7月の下鴨神社では、毎年「足つけ神事」と呼ばれる重要な行事が行われます。
2025年は7月18日(金)~27日(日)まで開催予定。参拝者が御手洗池の湧水に膝まで足を浸し、献灯して無病息災を祈願します。一般には「みたらし祭」として親しまれています。

この期間、境内には願いを記した五色の短冊が結ばれた七夕笹が飾られ、まるで七夕祭のような風景が広がります。

当茶寮もこの時期、参道で冷たい甘味をご提供し、お祭りをともに盛り上げております。


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なぜ五色の短冊なのか?

Y.K/shutterstock

七夕の短冊は、本来「青・赤・黄・白・黒」の五色。童謡『たなばたさま』でも「五色のたんざく」と歌われるように、古くからの習わしです。

この五色の由来は、中国の「乞巧奠(きっこうでん)」という宮廷行事。織姫にあやかって、裁縫や書道の上達を願い、五色の糸や布を供えたことが起源とされます。
また、五色は陰陽五行説の「木・火・土・金・水」に対応し、それぞれに「仁・礼・信・義・智」といった徳を表しているともいわれています。

日本では「青=緑」「黒=紫」とする変化もあり、現在の七夕飾りにはさまざまな色合いが見られます。


七夕にいただく願いを込めたお菓子

古代中国には七夕に「策餅(さくべい)」というねじり縄状の菓子を食べる風習があり、その文化は平安時代の日本にも伝わりました。やがて策餅は時代とともに姿を変え、現在では地域によって「五色のそうめん」などを食べる風習も見られます。


夜空に見立てた「フィナンシェ五味の杜」

「フィナンシェ五味の杜」は、糺の森の上空に浮かぶ月をイメージし、丸く焼き上げたお菓子です。
京都の料亭らしく、和の素材を使った5つの味──抹茶、塩檸檬、黒胡麻醤油、黒蜜黄粉、貯古(チョコ)──をひと箱に詰め合わせました。

それぞれの味は、味覚の「五味」(甘味・塩味・酸味・苦味・旨味)を表現するとともに、五行に通じる色にも重ね合わせており、無病息災の願いも込めております。

本品は、下鴨茶寮本店の総料理長・本山直隆が監修。今年、より深みのある味わいへとバージョンアップいたしました。

夜空を見上げ、願いを託す七夕のひとときに。
五色に込められた想いを、味覚でそっと感じていただけるお菓子です。

お中元やお手土産などにも、ぜひ、ご利用ください。

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参考文献・出典

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